馬鹿寮長と天才不良
晩御飯を作り終えてちゃんと後片付けもした私は自分の部屋に向かっていた。
那智君が学校に行かない理由はわかった。
でも、ホントにそれだけの事なのか?
あれくらいの事で那智君が学校に行かないとは思えない。
だってそんな繊細には見えない。今までの私の態度からして。
「逆に仕返しとか・・・ていうか気にしなさそう」
「誰のコト?」
「え、だから那智君が・・・って理事長!?」
「こんばんわ♪」
私が自分の部屋の扉を開けながら考えていたら、まさかの返事が。
はっと前をみると理事長が窓のスペースに腰掛けていた。
なんでここにいるのさ!!
「理事長何しているんですか!?」
「マニュアルに書き忘れていた事を伝えにきたんです」
え?書き忘れていたコト?
「体育祭や文化祭、その他諸々イベントに寮のみんなを出せなかったら卒業の話しはナシだから。
まあ何かしら理由があるのなら仕方ないけど」
うっっそ!?
体育祭はもう直ぐだけど!?
「それから藍華さんが遅刻とかずる休みしても却下だから」
理事長貴女は鬼ですか!?
「それでは♪」
「ま、待ってください!」
立ち上がって帰ろうとした理事長を私は呼び止めた。
キョトン、と理事長は私を見て固まった。