馬鹿寮長と天才不良
『X=』がわからなくても他人を追い詰める術はわかる
―タッタッタッ
「鳴海先生!!」
「遅いしウルセェ!!」
「Σあうっ!」
ガラッと勢いよくドアを開けた途端、出席簿を額に投げつけた鳴海先生。
ヒドッ!!
じゃなくて・・・
「先生お説教は後ですよ。私の話しを聞きなさい」
「なんでちょっと上から目線?立場わかってる?」
「いいから!那智君の事件、真犯人は那智君じゃありませんよ」
「・・・は?」
幸いなことに、職員室には誰もいなかった。
もう本番直前だから色々準備をしているのだろう。
「は?じゃありません。だから、真犯人は那智君ではなく、他にいたんです」
「・・・そんな言うなら、なんか確証があるんだな?」
先生の目は、適当なら許さないと言っていた。