MH
常人ならば確実に転落死するであろう高さから、私とMHⅡは難なく着地する。

アスファルトに数センチもの深さの足跡を残し、私達は行動を開始した。

まるで自動車並みのスピードで路上を駆け抜け、人目に触れる前に再び建物の屋上まで跳躍。

跳躍力も半端なものではない。

5階建てのビルの屋上まで、ひと跳びで到達し、そこから更に立ち止まる事なく走る。

ビルの屋上から屋上へ、飛び石の如く移動。

改造人間の身体機能というものは、最早超人のそれだった。

どんなに肉体を鍛え上げた兵士であろうと追随を許さない。

それが『F計画』のヴィクターシリーズを経て、私が究極にまで進化させた改造人間『MH』の力だった。


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