MH
MHの脚力を以ってすれば、日向大学まではあっという間だった。

敷地を取り囲む塀をたやすく飛び越え、大学キャンパスへと侵入。

…私とMHⅡは顔を見合わせ、視線だけで会話を交わす。

既にMHⅡも『変身』して、異形の姿へと変貌を遂げている。

あとは教授を見つけ出し、手早く任務を遂行するだけ。

「行け、MHⅡ」

私は言う。

「教授を拉致しろ。抵抗するようならば殺し、頭部だけ持ち帰っても構わん」

踵を返して大学の建物に侵入しようとするMHⅡの背中に告げる。

その時だった。

「………っ!」

突然、MHⅡが頭を押さえて片膝をつく。

まるで目眩にも似た動き。

…思えば、それが『始まり』だった。

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