MH
「……」

ゆっくりと拳を引き、距離を置いてMHⅡは私と対峙する。

複眼、触覚、胸部装甲板。

私は深緑色、MHⅡは黒を基調とした体色ながら、使われているパーツはほぼ同一。

こうして向かい合っていると、まるで合わせ鏡のようだった。

「…『心』がどこにあるか知っているか?」

突然。

MHⅡはおかしな事を問いかけてくる。

「『魂』はどこにあるか知っているか?」

「くだらん」

私は一笑に付した。

「精神や感情を司る部分は全て脳に集約されている。魂についても人間が死ぬ前と死んだ後で21グラムだけ重さが違うという話があり、それが魂の重量だという説が…」

「そんな医学的な話を訊いているんじゃない」

MHⅡは私の言葉を遮った。


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