MH
ジリ、と。

私は足を動かす。

「!」

MHⅡが警戒するのが分かった。

「実に理解しがたい。脳改造を施し、機関に忠実な兵士としてのメモリーをプログラムした筈の君が、何故自我を取り戻したのか…私の改造手術のミスなどとは認めたくはないが…」

更に一歩、前進する。

「機関支部に連れ戻し、その頭部を切開してもう一度よく調べてみたい。脳を切り刻んで、隅々まで解剖したい…実に興味深い研究対象だよ、君は」

「ふざけるな」

MHⅡは構える。

「もう貴様らの言いなりにはならない。俺は俺の為に、貴様らに反逆する」

< 17 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop