MH
部下を追い払い、私は考える。

まだ機関本部に、私の失態はばれていないようだ。

自らが開発したMHに裏切られるなどと、そんな事実が本部に知れたら、私も覚醒者計画の責任者や、F計画主任の三池総一郎のように切り捨てられかねない。

機関は無能な幹部をいつまでも抱えているほど甘くはないのだ。

自分の不始末は自分で片付けるしかない。

ならばMHⅡも、私自身の手で廃棄する他はない。

「……」

メンテナンスベッドに横たわり、そばにあったキーボードを鍵打する。

同時に天井から伸びてくる無数のマニュピレーター。

その先端には、ドリルやレーザーメスが取り付けられていた。

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