MH
「おめでとう、本城隼人」

私は低く笑う。

「これで君の肉体は私と同じになった…自らの意思で自在に異形に変貌する機関の尖兵、テロ用改造人間『MHⅡ』にな」

「ふざけるな!」

既に人間には戻れぬ身。

それでも隼人は吠える。

「どういう理由で俺を選んだのか知らないが、お前らの言いなりになんてなるか!」

「…無作為」

私は平然と言ってのける。

健康な肉体を持つ成人男性であれば、被験者は誰でもよかった。

本城隼人を拉致し、この機関の支部のひとつに連れてきたのは、ただの偶然に過ぎない。

「き…貴様…!」

敵愾心剥き出しに、隼人が私を睨む。

「やれやれ…」

私は溜息をついた。

「その忠誠心のなさ…やはり脳改造も必要か…」


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