MH
「ぐはっ!」

鳩尾を的確に狙った私の蹴りを食らい、MHⅡが口腔部から血を吐き出した。

血といっても、改造人間の為に精製された人工血液だ。

人間と同じく赤い色だが、その成分は人間とは似ても似つかない。

「……」

体勢を立て直しながら、MHⅡは複眼で私を睨む。

「わかったか?私が再改造したという意味が」

私は見下すようにMHⅡに言った。

再改造というのは、身体能力のみが向上したという事ではない。

戦闘補助用CPUや触角などのセンサー類、複眼の感度なども高性能になったという事だ。

攻撃力が高まっただけではない。

今の私はMHⅡの攻撃を素早く予測し、最適な反撃や回避行動をとる事ができるのだ。

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