MH
私の降下速度を上乗せした蹴りに対し、MHⅡも十分に加速した上昇で蹴りを打つ。

速度は互角。

ならば優劣を決めるのは、純粋な蹴りの威力。

だが当然、再改造を施した私の人工筋肉の筋力はMHⅡを超越している。

空中で両者の蹴り足が激突!!

まるで空中で静止したように、私とMHⅡは激しい力の拮抗を見せた。

上昇と降下。

二つの蹴りが鬩ぎ合い、膝関節がミシミシと音を立てる。

関節だけではない。

限界を超えた脚部の人工筋肉さえもが、これ以上負荷をかけては断裂すると悲鳴を上げた。

もっとも…膝関節も人工筋肉も、悲鳴を上げたのはMHⅡのものだけだったが。



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