MH
最初のうちは忠実に。

MHⅡは、それこそ機関の理想の尖兵として働いてきた。

迷いも躊躇もなく、どんな任務でも遂行する。

しかし半年が過ぎる頃だろうか。

その挙動に異変が見え始めた。

きっかけは、暗殺するターゲットに命乞いをされた時だった。

微かに、だが確かに。

MHⅡは躊躇いの色を見せた。

振り上げた拳を一瞬止めて、迷うような仕草を見せたのだ。

…本城隼人への脳改造は完璧な筈だった。

にもかかわらず、彼は与えられた任務に対し、迷いを見せるようになっていたのだ。

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