ラグナレク

「―――じゃあこれからよろしく頼むよ、クレイ」








解答に喜びを露にし、クレイはきつそうな雰囲気を生み出している瞳の奥をきらきらと輝かせ、僕が差し出していた手をしっかりと握る。
予想以上だった彼女の握力に辛苦しながら、意外なまでに感情を表に出している一人の女の子へと、もう一度だけ微笑みを送る。








「ありがとう………こちらこそ、これからよろしく頼むわね、レイ」








僕は返事をする代わりに、一度だけ深く頷いた。
彼女は一応バリーにも握手を求め、それを彼は渋々と承諾し、その手を強く握り返す。一通りの団結の契りを済ませたのを確認し、僕はクレイに近くの椅子に座るように促した。彼女はそれを了承すると、椅子に深々と腰掛ける。
彼女の表情はやはり相も変わらずにむすっとしているように見えなくもないが、それでも僕には何となく、彼女が少し楽しそうに笑っているような気がしていたのだった。