涙。(短編)
大すき。
高校三年の夏だった。
「夕貴ぃ~、まだ~?」
夕貴の家のベランダで白い布にくるまれたまま…炎天下の下にさらされる私。
通気性の悪いこの布のせいで体はじっとりと汗ばんでいる。
「あぁ!美香!動くなって!」
「だって~…暑いんだも~ん。」
足をバタつかせ、新しい空気を布の中に送る。
「わかった。後でシャワー浴びろ」
「はーいっ、やった。」
再び目を閉じる。