涙。(短編)
「夕貴~お疲れ~」
バイトの後に夕貴とご飯を食べるのが恒例となっていた。
この日もそう…
「つ、疲れた…」食器と共にやってきた夕貴がドサッと腰を下ろす。
「またハンバーグ!?」
「いいじゃん!ハンバーグ!」
べつに悪いわけじゃないけれど、ここのところ連続でハンバーグだと言いたくもなる。
そしてご飯を食べながらくだらない話をする。
私の終電の時間まで…。
「美香…そろそろ出よう?時間っ」
「あ、本当だー。」
いつも夕貴が気づいてくれる。
私から電車の時間を気にしたことなんてない。
だって…本当はもっと一緒にいたいから。
本当は帰りたくないから。