涙。(短編)

何も聞かないまま…
笑顔で手を振り、電車に乗り込む。


本当は聞かないんじゃない…
聞かなくてもわかったんだ。


「元カノ」なんだろうなって…



そして元カノはまだ夕貴がすき。
だからあんな安心した顔したんだと思う。

そして夕貴もきっとまだ─…


「しんどいなぁ…」


わかってしまう、こんなツライことも…だって、私は夕貴がすきだから。

電車がゆっくりと私を乗せて動く─…
まだ涙はでなかった。




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