意地悪な彼。
「そんなこと、分かってますよ」

私が会長に握られている弱味とは、メイド喫茶でバイトしていること。
私の家は今、両親が海外に行っていて誰もいない。親の置いていったお金は遊びに使ってしまいなくなってしまった。だから高いお給料のメイド喫茶でバイトしていた。それを、偶然通りかかった会長に発見されてしまったのだ。会長は「俺の言うこと聞いてくれれば黙っててあげる」っと言ったのでこっちの方が楽と思って言うことを聞くことにした。

「俺の言いなり人形ね」

こんな命令されるとは思わなかったんだもん。
だいたいよりによって発見された人が会長だなんて私はかなり不運だ。ちなみに私の学校はバイト禁止。
ばれると退学。


「会長、私もう行きますよ」

「ん、じゃーね」


私は会長から離れて鞄を片手に生徒会長室から出ていった。会長はかっこよくて学校のアイドル的存在。目をつけられるのも時間の問題。


「おはよ、陸!」


「姫~!」


私は教室に入ると真っ先に親友、天川姫に抱きついた。姫は普通に抱き返してくれていた。
姫とは長い付き合いで小学校からずっと一緒。
腐れ縁。


「また会長のとこにいたの?」


「いたくているんじゃないんだよ、姫」




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