恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
もしかしたら俺は、戸城のお陰で

何か変わっているのかもしれないな、と。

「なあシンゴ」
「ん?」

俺は急に考えが浮かんだので

シンゴの名を呼んだ。

それにシンゴは適当に返事をする。

それでも俺は気にせずに

思ったことを口にした。

「例えばの話だ。シンゴには、
 自分を振った元カノがいる」
「待って! 俺に彼女なんて
 居たこと無い」

シンゴは案外天然だ。

「例えば」って言ったのに

まるで聞いてはいない。

「これは例え話だ。
 本当の事じゃない」

俺が言うと、分かったのか

シンゴはコクリとうなずいた。
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