恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
でも、戸城はデートに対してだと

とったのか、笑顔でうなづいていた。

「あっ……、電車きた」

戸城が言ったとおり、数分の

狂いもなく、時刻表通りに電車は

ホームに到着した。

俺たちは一番近かった2両目に

乗り込んだが、席が空いていなかったので

窓にある手すりに掴まった。

電車が揺れるたびに、俺と戸城の

距離が縮まる。

俺は何故かドキドキしていた。

そして間もなく、青柳が近づいてきた。

「そろそろ……、キャッ――」

戸城が手すりを離した瞬間、電車が

大きく揺れ、戸城はコケそうになる。

それを俺は瞬発的に抱きあげていた。

「ありがと」
「えっ、うん……。大丈夫だったか?」

今の俺はこの一言だけで精一杯だった。

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