恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
俺の心臓は、更にドキドキを

打ち始めていた。

その直後、プシューという音を

立てながら電車のドアは開いた。
 
「じゃあ……、降りようか」

戸城が言ったので、俺は

抱きあげていた手をやっと放した。

そして俺たちは電車を降りる。

まだ、心臓の鼓動はそんなに

治まってはいなかった。

なんだよ、別に何もやましいことを

したわけじゃない。

俺たちは、「恋人同士」だ。

なのに何でこんなに緊張してる?

「関山君……、大丈夫? 
 顔真っ赤だけど」
「なんでもないよ。行こうか」
 
戸城が顔を覗き込んで言うので、

深呼吸をして言う。
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