恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
俺の提案に戸城はうなずいた。

確かここのフードコートにある

ラーメン屋は美味しいと誰かが

言っていた気がする。

でもデートでラーメンはなあ……、

なんて考えながらエスカレーターを

上っていった。

フードコートには、カレーや

クレープなど、様々な食欲を

そそる香りがただよっていた。

「何食べようか」

俺が言うと、戸城は無言で

ラーメン屋を指差した。

「ラーメンで良いのか?」
「うん。ここ、好きなんだ」

戸城はニコニコしながら言う。

そして俺たちはラーメン屋の

最後尾に並んだ。

そして俺は、誰が美味しいと

言っていたか思いだした。
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