恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
別に誤魔化したいわけでは無かった。

ただ、戸城を傷つけたくなかった

だけなのに。

それなのに、結果的に戸城を

傷つけている。

「ごめん。でもここじゃなんだから
 外に出ないか?」

俺は、全てを話すことを決意した。

このまま付き合っていたって

良いことなんて何もない。

戸城はその言葉に、もう何もかも

分かったような少し悲しそうな

表情でうなずいた。

そして俺たちは店を出て少し歩いた所に

ある川に向かった。

「ひゃっ……、つめたいッ」
 
川の水を触って戸城は

驚いて手を放した。

その笑顔を見ていると、

俺はかなり罪悪感にかられた。
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