恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
しかし、これ以上だまし続けるのは

もっと酷い気がして俺は口を開いた。

「カナ……、落ち着いて聞いてほしい」

俺が言うと、父親に怒られて

いるような、しょんぼりした顔で

戸城はうなずいた。

大きく深呼吸して、俺の正直な

気持ちを話すことにした。

「俺に妹がいるのは言ったよな?」

悪いことをしたと思いながらも

俺は続ける。

「その妹に、俺は惚れたんだ。
 自分でも止められないくらい……、
 大好きになった」

戸城は言葉を失ったのか、俺の顔を

見ているだけで何も言わない。

「だから、戸城と付き合えば
 諦められると思ってた。
 だけどお前を利用してただけ
 なんだって気付いた。
 俺はまだ、妹のことを
 諦め切れて無かったんだ」
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