恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
俺はそう吐き捨てるが、後悔する。

自分の方が最低だ、これだって、

2人の優しさなのに。

それでも、俺は衝動を止めることが

できなくて、部屋を出た。
 
「お兄ちゃんッ」
 
俺の背中に向ってアイが言ったが、

もう俺は止まれなかった。

ただ、土砂降りの雨の中、外に出た。

俺は何を悲しんでいるのだろう。

好きだったアイとは血のつながりはない、

付き合うことだって出来るじゃないか。

なのに、どうして俺はこんなにも

悲しいのだろう。

俺は、公園の中にある屋根つきの

木で作られた建物の中に入った。

答えを探そうとしても、何も

浮かんでこなかった。

ただ俺は、独りぼっちだと気付いただけ。

「お兄ちゃん」

優しく俺を呼ぶ声がした。
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