恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
ふと顔を上げると、アイが傘を

たたみながら建物の中に入ってきた。

「俺は……、お前のお兄ちゃん
じゃないんだぞ?
 笑っちゃうよな……、血の
繋がらない人と15年も一緒に
生きてきたなんて」

俺が言うと、アイは俺の頭を

軽くたたいた。

そして、微笑みながら言う。

「血の繋がりなんて関係ないよ。
お兄ちゃんは、お兄ちゃんでしょ? 
それに、お兄ちゃんのお母さんと
お父さんは、あたしのお父さんと
お母さんじゃんっ」

そう言われて俺はかなり、嬉しかった。

血の繋がりはなくても、俺たちは

家族なんだ。

たった1つの大切な家族。
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