恋(Ren)&愛(Ai)~叶わない恋~
だから、抱き締めたのだって

かなり勇気を出したのだ。

誰も、俺たちを認めてくれない

だろうから。

「でも、もう良いよね? 自分に
素直になっても……。あたし達は、
血の繋がってない義理の兄妹
 なんだから。
 私、お兄ちゃんが大好きなの」
「アイ……」
 
俺は傘を放り投げて、アイを

抱き締めた。

もう、誰にも邪魔させたりしない。

もう反対する人だって居ないんだ。

「大好き。お前しか目に入らない」
「あたしも……、大好きッ」

びしょ濡れになっても構わなかった。

ただ、抱き締めたくてしょうがなかった。

そして俺たちはさっきよりも、長い

口づけをした。
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