でも、やっぱり、好きです。
ウヒヒヒと意地の悪い笑みを浮かべていると、向井さんがやってきた。



「お待たせしました。」

爽やかな風をまといながら向井さんがミーティングルームに入ってきた。

この人、笑顔も素敵だし、知的なかっこよさが漂ってる。
センスのよいスーツから、なんかいつもいいにおいがするんだよね。





「今日は突然すいません。」


「岩嶋さんと約束していなかったから、何かあったのかと思いましたよ。」


「明日のプレゼンのことで、ちょっと確認したいことがありまして。」


話に耳を傾けていると向井さんがこちらを見て、笑顔を向けてきた。


「あ、篠崎さん、書類もらえるかな?」

「あっ、はい!…これです。」

あまりに素敵過ぎるスマイルを突然かまされ、ちょっと顔が赤くなってしまったじゃないですか…。



向井さんが書類のチェックをしているのを待っていると、岩嶋さんと目が合ってしまった。

ニタニタと意地悪そうな顔をして、こっちを見ている。




< 15 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop