でも、やっぱり、好きです。
「向井さんって、あのカッコいい人でしょ?いいじゃなーい。」
「……人ごとですね……」
「まぁ、あの人相当女慣れしてそうだよね。…ププ…遊ばれてみれば?」
こっちを横目で見ながら、ニヤニヤしている。
はぁ…。
………正直、恋愛はもうたくさんなんだけどな。
思っていたことが表情に出ていたのか、そんな様子を見て晴美さんはため息をついた。
「ほら!お茶おごってあげるから、おいで!」
「……ありがとうございます。はぁ。」
「ちょっと!暗すぎ!」
とぼとぼと暗い足取りで、晴美さんのあとをついていき、社内の自販機が置いてあるスペースについた。
そこは、ちょっとした椅子も置いてあって、休むことができる。