涙が雨に変わるまで
「TYPE-2のみなさんは、我が校最後のTYPE-2新入生です。来年からこの学校は、TYPE-1の生徒だけが入学する学校になります」


誇らしげに胸をはり、さて、と話が変わった。

西暦3012年、この国は人種を男女だけでなく、人工受精で生まれたTYPE-1、自然に恋愛感情から生まれたTYPE-2とに、分けている。

父親の方と母親の方、双方の優秀な精子と卵子を選び、優秀な子供が造られるTYPE-1は、TYPE-2より上となる。

人の恋愛感情は不安定だし、劣った子供が生まれる可能性もある、というのが一般論だ。

ちなみに私はTYPE-2 。

父親と母親が愛し合った結果、生まれた人間だ。

しかし将来はきっと、TYPE-1だけになる。

TYPE-1の子造りの方が安全なんだ。

だからこの学校も、完全な優等生育成のため、今年でTYPE-2の子供を入学させるのは終了。


「ねえ雨季、この制度って間違ってない?」
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