空になんか憧れない
何て馬鹿げた質問だろう。
きっと、彼らは答えてくれない
お姉ちゃんはもういない。
彼らは奪ってしまった。
人は何よりも大切なものを、ちょっとしたすれ違いや一時の苦しみでそれまでの幸せさえなかったことにしてしまう。
自らの手で壊した時間はもう、戻らない。
今更何を言ったって、もう彼女には届かない─
「…当たり前だろ」
「…えっ?」
「…羽鳥は、永遠にずっと、僕らの大好きな…
…大切な親友だよ」
そう言った彼らの揺るぎない瞳を、ずっと前にも見たことがある。
そうだ、私はこの目を知っている。
“あたしにとって、みんなは大切な親友だから”
「…っ、うわあああぁぁ!!」
羽鳥が聞きたかった
聞けなかった言葉
もう、お姉ちゃんには届かないけど
“アタシ”には、しっかり届いたよ?
こうして泣き叫ぶことしができない私を、お姉ちゃんは許してくれるかな?