空になんか憧れない
お姉ちゃんは私にどうしてほしかった?
彼らを殺してほしかった?
復讐してほしかった?
本当は、答えなんて分かってた。
彼らを許した訳じゃない
許した訳じゃないけど
最初からお姉ちゃんは復讐なんて望んでいなかった。
だって、お姉ちゃんはただあの頃に戻りたかっただけなんだから
いくら私が憎くても、殺したいくらいに恨んでいても。
あんな目に合ってもお姉ちゃんが守りたかった彼らを、私が傷つけちゃいけない
ねぇ、そうでしょ?
お姉ちゃん?
ポタッ
「…あっ」
「…雨?」
灰色の雲は消え、澄んだ青色
キラキラ光る、綺麗な青空から落ちた、冷たい雫
「…お姉、ちゃん?」
空が、お姉ちゃんが、
泣いている─