空になんか憧れない



「利き手じゃない方の手で、そんなに腫れるほど強く殴れるわけないじゃない」



「…っ!」



甘いよ、美佐。



アタシはもう、あの頃のアタシじゃないの──




「…ざ、けんな!美佐がそんな馬鹿な真似するわけねぇだろう!」




遠慮なんて、しないから。



「……何なら、アタシの手と美佐の右頬の手形を合わせてあげましょうか?


アタシは普通の人より手が小さいからすぐ分かるわよ?」






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