俺様が愛するお姫様。






それからしばし沈黙。



「南、そちらは?」



なんか素っ気ない。



まあいつものことだけどね。



「僕、南さんと結婚前提でお付き合いさせていただいてる、瀧川憐也と申します。挨拶が遅れたうえに、急にすみません。」

「結婚するのか?」

「うん。お父さん、お母さん。今まで18年間、養ってくださってありがとうございました。私、憐也と結婚するから。」

「僕は南さんを今までよりも幸せにするんで、南さんを僕にください。」




憐也…




あたしよりしゃべってるじゃん。




「南、久しぶりに顔見せといていきなり結婚か?」

「反対なんですか?」

「……お前まだ未成年だろ?保護者の同意が必要じゃないか。」

「お父さん、言わせてもらいますけど、お父さんもお母さんも保護者らしいことしてなかったではないですか?ただ食事代と、教育費を毎月出してくれていただけじゃないですか。」

「……。」

「あたしは本当のお母さんのことしか本当の親だと思ってないですから。まぁ今のお母さんは最初からお母さんではなかったですけど。あなたもそう思ってるでしょう?」

「南!!口を慎め。」

「なによ。あたしとお兄ちゃんはいつもさみしい思いも辛い思いもしてきたんだから。」




何年も何年も…



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