くらいもりのなかで。
第一章 5つの光
街はずれにある森には名前が付いてなかった
だが、街の人々からは
『立ち入るべからず死の森』
という呪文のような呼び方で覚えられていた
学校では「絶対に入らないこと」と厳しく教えられていた
そんな森に、男が一人
立ち入り禁止のチェーンもこわし
ズンズンと森に入っていった
その男は顔がまったく見えないように
すっぽりと黒いコートを身に着けていた
男は森の木を使って、家を作った
ある作戦を成功させるために―。