愛されて
「妊娠…心当たりあるの?」

「はい…生理もこないし、検査薬で調べたら…陽性で…」

自分が悪いことをしているみたいで。
泣きたくなった…

「じゃあ、調べましょう」

尿をとったり。
ベッドに寝かされたり。
お腹にゼリーみたいなものも塗られた。

検査が終わって。
私は…診察室の椅子に座った。

先生が私の顔を見た…

「妊娠していますね。9週目、3ヵ月に入ったところですね…」

先生の言葉が遠いところで聞こえたような気がした。


本当に…妊娠!!
本当に…私のお腹に赤ちゃんが?

まだ…現実とは思えない私に。
先生は現実をぶつけてきた。

「あなた…まだ未成年よね?」

「はい…」

「本当に18?」

先生は疑っていた。

「本当は15です…」
私は言った。

叱られるかと思ったけど、先生は。

「15歳なら…なおさら、これからどうするか、ご両親や相手の人とよく考えて下さいね…」

優しく言った…

「どうするかって…?」

「赤ちゃんを産むか産まないか…」

「いい?これはね…あなた1人の問題じゃないのよ。今、あなたがこうしているときも…赤ちゃんは少しずつ大きくなっているの。中絶するなら…早い方がいいから…よく、ご両親と話し合ってね。いい?」

「はい…」

私は返事した。
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