愛されて
一瞬の間があった後。

「どうするんだよ…」
洋平が前髪をかいた…

「中絶するしかないな…」
ぶっきらぼうに洋平が言った…

えっ!?
中絶…!?

驚く私に洋平は…

「中絶するしかないだろう?だって…俺たち、まだ中3なんだぜ」

中3…15歳。
15歳はまだまだ子どもで。
働くことも…
ご飯も作れなくて…
親に養ってもらっているわけで。

「中3で…どうやって、子どもを育てていくんだよ」

中学生なら働くこともできない。
そんな、私たちがどうやって、子どもを育てていくんだろう?

「それに…俺…高校にいって陸上やりたいし…友だちとだって遊びたいから…父親にはなれない」

洋平はきっぱりと言った。

「でも…」

「でもじゃない!遥香だって…女子大付属にいきたいんだろう?いってお母さん達から認められたいんだろう…だったら、中絶するしか方法は…」

「もう…中絶できないの!」

私は洋平の言葉を遮って言った。
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