愛されて
「中絶できないってどういうことだよ?」

「もう…6ヵ月目だから、中絶できないの…」

洋平は私の言葉に絶句した。

洋平は私がまだ妊娠3ヵ月ぐらいだと思っていたみたいだった。

「6ヵ月って…どうして、お前…今まで黙っていたんだよ?もしかして、産むつもりなのか?」

「うん…産むよ。中絶できないなら…産むしかないじゃない?」

私は言った…

洋平は怒った。

「そんな勝手なこと…俺の立場はどうなるんだよ?俺はやっとで…」

「洋平には迷惑かけない。今まで黙っていたのも洋平に面接をかけたくなかったからで…赤ちゃんの父親が洋平とは絶対に言わないから…私の妊娠のことも黙っていて…」

私が言うと、洋平は…
「絶対に言うなよ…」
と念をおした。


その時の洋平は…
あの日、私を抱きしめてくれた優しい洋平とは。
別人だった…
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