愛されて
みんなが信じられない顔をしているなかで…

おばあちゃんだけが。

「妊娠9ヵ月にもなっているのに…どうして、由香さん気づかなかったの?15歳で出産だなんて…樫木家の恥ですよ…やっとで女子大に合格してくれたと思ったら…妊娠していて出産だなんて…遥香は…」

ママを責めた。

歩ちゃんが。
「それよりも…今後のことを話しませんか?」

と言った。

歩ちゃんだけが…
これから始まる波乱の日々を予想していた。


「父親は誰なんだ?きっと、乱暴なんかされて…遥香は妊娠したんだよ。だから、ずっと言えなくて…」
パパは怒っていた…

パパも。
娘が15歳で出産するなんて夢にも思っていなかっただろう。

「歩、父親は…?」

「分からない。私がここで遥香と会った時は…1人だった」

今度は…おばあちゃんはママではなくて。
歩ちゃんを責めた…

「遥香は毎日、学校に行っていたのですよ…学校は気づかれなかったのですか?」

「はい…」
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