愛されて
「やめろよ!!」

大声をあげたのは…洋平だった。

「歩香先生のせいではありません…あの時は何もなかったのは本当です」

「僕と遥香が…そんな関係になったのは1学期の終業式の時でした…」

「お前が遥香を…」

パパが立って…洋平を殴ろうとした。

慌てて、歩ちゃんがパパを止めた。

「亮輔…洋平君の話しも聞いて…」


「あの日…遥香は友達からいじめられて…通知票を窓から投げ捨てられて川に落ちたんです。でも…学校の先生に言ったら、チクったってイジメられるから、僕が脅かして…驚いた遥香の手が滑って川に落ちたことにしようって…」

「そして、家に帰り…僕が遊びに行こうとしたら、公園に遥香が倒れていて。熱中症だと気づいて…カラオケボックスの中に運びました…それで…」

「遥香が気を失っていることを良いことに…君は…」

洋平にパパが殴りかかろうとするのを…
必死に歩ちゃんが止めていた。

「違います!!遥香さんが目を開けて…ママたちが自分の言うことを信じてくれないと泣いていて。それで…僕たちは…」

洋平が言った。

ママたちには初耳だっただろう。
私がイジメられていたこと…

罰が悪そうな顔でママは洋平の話を聞いていた。
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