愛されて
おばあちゃんと歩ちゃんが夕方、病院にやって来た。

「遥香、赤ちゃんと一緒に暮らせるようになったよ…」
病室のドアが開いて…
歩ちゃんが言った。

「えっ!?」

「おばあちゃんが遥香のことをひきとりたいって…よかったね…」

嬉しくて。
涙が出そうだった…

「はい、赤ちゃん。ママですよ…」
ドアが開いて…
赤ちゃんを抱いたお医者さんがやって来た。

「よかったね。おばあちゃんが面倒みてくれるって言ってくれて…」

「はい…」

私は返事した…


お医者さんが私に赤ちゃんを渡してくれた…

だけど、私は抱き方が分からなかった。

おばあちゃんが優しく…赤ちゃんの抱き方を教えてくれた。

「ちゃんと首を支えてあげるのよ…」

「そうだ!!赤ちゃんの名前…決めないと…」

おばあちゃんが思い出したように言った…

「名前は…もう決まっているよ」

「何?」

「幸香…」
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