愛されて
次の日の夕方。

拓也さんと愛香が歩ちゃんのお見舞いにやって来た。

「ママ…」

愛香が嬉しそうな声を上げた。
拓也さんが抱っこしていた愛香をベッドの上におろした。

「マナ…」

歩ちゃんが愛香を抱きしめた。

「看護士さんに聞いたけど、あまり…ご飯を食べてないんだって。食べないと退院できないよ…」

「だって…気持ちが悪くて…」

「はい。ゼリー!これでも食べて元気出して…」
拓也さんが歩ちゃんの大好きなオレンジゼリーを差し出した。

「ありがとう…」

拓也さんは私にもオレンジゼリーをくれた。

私たちは4人で…オレンジゼリーを食べた。

しばらくして…
拓也さんが愛香に。

「マナ…そろそろ、お家に帰ろうか?」

「イヤー」

「イヤじゃないの。お家でバァバが待っているよ…」

拓也さんが愛香を抱っこした。

「イヤ。ママ…ママ…」
愛香は泣きながら、帰って行った。
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