愛されて
「いただきます…」

みんなで朝食を食べ始めた。

「ごちそうさま…」

青白い顔をした歩ちゃんが…箸を置いた。

「もう、食べないの?」

「うん…」

「もしかして具合悪いの?だったら、学校休んだ方がいいよ…」

拓也さんの言葉におばあちゃんも。

「そうだよ。あまり無理すると…赤ちゃんにさわるわよ。この前、切迫流産で入院したばかりだし…」

「うん…」

歩ちゃんは…その日。
学校を休んだ。


「歩ちゃん…」

「何?」

歩ちゃんは…ソファーに寝そべっていた。

「歩ちゃんは…えらいよね…」

「えっ!?」

「だって…赤ちゃんのこと、きちんと考えているから…私は幸香のこと、考えてあげる余裕がなかった…そのせいで幸香に病気が出てきたら…どうしよう?」

私は泣きそうだった…

「大丈夫だよ。私だって愛香の時は…お腹が大きくなっても階段駆け上がったりしていたのに…愛香は元気に生まれてきたから大丈夫だよ…」

「それに…大切なのはこれからだよ。今までのこと気にしていたら、きりがないよ…」

歩ちゃんの言葉に私は元気が出た。

『大切なのは…これから』
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