愛されて
そして、2日後。
私たちの中学生最後の試合が始まった。

試合はリーグ戦で行われて。
勝ち続ければ…市内大会で優勝して、地区大会、県大会、全国大会といける。

でも…負ければ即引退。

優勝しなくてもいいから…
1回戦敗退だけは避けたかった。

「みんな…頑張ろうね」

「うん…」

私たちは勝つことを祈って。
試合に臨んだ。


“ピッ−”
試合終了のホイッスルがなった。


『25対21』
の点数版が目に入った。

私たちは負けた…
接戦だったけど、あと1歩たらなかった。

「ありがとうございました」
と挨拶をした後…

涙があとから…あとから溢れてきた。

横にいる雪や麻美も泣いていた。

悔しかった…
勝ちたかった。

でも…心は満ちたりていた。

それは…一生懸命練習したから。
みんなで1つの目標に向かって、努力していくことは…
こんなに大切だと…
初めて知った。


「お前たち、よく頑張ったよ…」
川本先生の言葉が余計に私たちを泣かせた…

綾とも抱き合って泣いた。
綾も泣いていた。

「ごめんね…私が…」

綾は今日、サーブミスをして1点とられた。
綾はそのせいで負けたと思っているみたいだった。


「ううん、綾のせいじゃないよ。綾がずーっと、練習してくれていたら勝てていたと思う。でも、私たちが無視して…綾を1回、辞めさせたから…」

「ごめんね…」

偽りのない、素直な気持ちで…
私たちは謝った。

綾は泣き笑いの顔で
「ううん。私も悪かったの…」
言った。

これで…本当の仲直り。
明日から綾とも仲良くなれると思っていた。
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