愛されて
明日は終業式。

今日は最悪だった…と思いながら帰っていた。


“最悪な事”というのは…

明日が終業式だということで…今日の午後からは大掃除だった。

私は美希と聖と麻美で女子トイレの掃除をしていた。

「ほら…もっと便器きちんと拭いてよ…」
美希が文句を言う。

私は便器用の雑巾を持って。
便器をゴシゴシ拭いた。
本当は便器を磨く人は手袋をはめていい。

だけど…今日は聖が。
ほうきを持っている聖が手袋をはめている。

「ヤダ!!汚い…」
汚物処理をしていた美希が声を上げた。

美希の方を見ると…
美希が汚物の入った箱をこぼして、使用済みナプキンが床に落ちていた。

「ヤダ!!もう何をやっているのよ」

聖が笑いながら言った。
「ねぇ…そこの奴!!拾えよー」
美希が言った。

何で私が拾わないといけないのよ
心の中で…反論した。

何も言わなかった。

けれど…イヤなのが顔に出ていたのだろう?

「何?何か文句あるのかよ?」
聖ににらまれて…
ビクンとなった。

「こいつ、びびってんの…」
「早く拾えよー」
聖が言った。

私は素手をトイレットペーパーで包んでナプキンを拾った。

「何だよ!!トイレットペーパーなんか使うなよ」
そう言ったのは…
美希でも
聖でもなく…
麻美だった。

「アサもよく言うね…」

「だって、見ているとイライラするもん…」

麻美が言った。

麻美…
友だちだと思っていたのに…

私は素手で…ナプキンを拾った。

「汚い!!ばい菌マンだ!」
聖が言った。
< 43 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop