愛されて
ママは怒っているようだった。

「遥香、座りなさい…」
私はリビングのソファーに座った。
ママが通知表を持ってくる。

「これ…さっき、大沢先生が持ってきて下さったの…」

私は頷いた…

ママが私の頬を叩いた。

「あんた…成績が悪いからって、川に落としたこと…友だちのせいにするなんて最低よ…」

えっ!?

「ママに恥をかかせて…情けないったら…」
ママが泣き出した。

何が情けないの?
通知表を落としたこと?
それで。
先生が家まで通知表を持ってきたこと?

ママ、泣きたいのは私の方だよ…

「違う…友だちから驚かされて…びっくりして…」

私は言ったのに…

ママは。
「あんた、よくこんな悪い通知表を見て帰っていたわね…友だちから見られたら、はずかしいとか思わないの?」

「ただいま…」
梨香の声が玄関の方でした。

ママは…
「もう…この話は終わりよ。気分が悪いから…」
と一方的に話を止めた。
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