愛されて
私と洋平は電車に乗って。
海に行った…

私たちが行った海は、遊泳禁止なので。
夏だというのに…
人があんまりいなかった。

私たちは2人で…海を見て砂浜に座っていた。

「さっきから…気になっていたけど、その手どうしたの?」

洋平が私の左手を指さしながら聞いた。

それは…井上先生にコンパスで刺された後で。

「ちょっと裁縫していて…間違って針を…」

「ドジだな…」
洋平が笑う。


「お前さ、何か言いたいことないの?」

「えっ?」

「あるだろう…?」

やっぱり、洋平には嘘をつけないね。

「あのね…1学期の成績が悪かったから、このままでは女子大付属には無理って、おばあちゃんに言われたから…ママが家庭教師を…だけど、家庭教師なんてイヤだよ。私だって遊びたい!!せっかくの夏休みなのに…」
私は言った。

「だったら…今日は思い切り遊ぼう」
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