愛されて
私と洋平は…
この日、1日だけ入院することになった。


「あのね、教頭先生が話を聞きたいって…」

次の日の朝、看護士さんに言われた。
私と洋平は用意された会議室に行った。
そこには…教頭先生と歩香先生がいた。

「まぁ…座りなさい」

「はい…」
私と洋平は椅子に座った。
私たちの前に…教頭先生と歩香先生が座っていた。


「あのね…昨日のことだげど…君たちは2人で何をしていたのかな?」
額の汗をふきながら。
教頭先生が聞いた。

「昨日、僕の応援に樫木さんが来てくれていたので、一緒に学校まで帰りました…僕は部室にゼッケンを置くために、部室に行きました。樫木さんは…家に帰ったんです」

「じゃあ…樫木さんは、どうして陸上部の部室に…」

いじめられている…と言っていいのだろうか?
信じてもらえるのだろうか?

チクったとか言って。
また、綾や聖にいじめられないだろうか?


「私は家に帰っていたんです。そしたら、洋平君の財布を持っていることに気づいたので…陸上部の部室に行きました。でも、洋平君がいなかったので…」

私はウソをついた。

「僕がトイレに行って戻ってくると…樫木さんがいて、部室に入った途端にカギを閉められました。暑くて、このままでは熱中症になると思って、ガラスを割ってカギを開けました…以上です」

洋平が言った。

教頭先生は、
「誰がカギを閉めたんだろうね。質の悪いイタズラだ」

と怒っていた。


私たちはなぜ、教頭先生と歩香先生までもが病院に来ているのか分からなかった。
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