君と、ずっと。
ピシッ


「ってぇ!!」


兄貴は俺の額にデコピン。


「なぁ、雅斗」


俺は少し涙を溜めた瞳で兄貴を見上げた。

兄貴はデコピンなんてなかったかのように、俺を見た。


「また悩んだら、俺のとこ来いよ…北斗よりかは、頼りになんだろ?」


兄貴は北斗がいるほうを見る。

北斗は兄貴が俺と話すからそこにいろって言ったのか、俺のほうを見て心配そうにしている。

兄貴、まじ…ごめんな。

でも、兄貴がいて…まじ助かった。


「兄貴…さんきゅー」


俺は照れ隠しに俯いて言った。


「雅斗ーっ…可愛い弟めっ」


くしゃくしゃと俺の髪の毛をかき回す。


「…っせーよ」


俺は照れて赤くなる顔を隠すために、俯いた。

兄貴って、こういう存在なのかな。

どんなときも傍に居てくれて…頼りになって…信頼できる。

兄貴、ありがとう。

本当だったらこのとき言えば、良かったのにな…


「っし…じゃ、学校行くか!!」


「おう」


俺と兄貴は立ち上がった。


「まっ、雅斗お兄ちゃん~!!まさっ…」


どんっ

北斗がうるうるの瞳で俺に抱きつくつもりだったのか、俺にぶつかってきた。


「ってぇ…」


見事北斗からの攻撃を受けた俺は、少し顔を歪めた。
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