君と、ずっと。

想い

*英里side*


「ん…」


あたしは寝返りをうって、枕を抱きかかえる。


「おーねーぇちゃーんっ!!」


ぎゅうっ

大声がしてビックリして、飛び起きたあたしに抱きついてきたのは、幼馴染の弟の北斗【ほくと】。

エクボのある可愛い無邪気な笑顔。

短髪と長髪の間の長さの、少し茶色がかかった黒い髪の毛。

背も小さくて目がくりっとしてる。

思わず守りたくなる存在。

まぁ、そんなこと…

とっくに消えたかな。

あたしは高橋英里【たかはしえり】。

朝っぱらから抱きつかれる日常茶飯事に、溜息の朝。


「北斗、おはよう」


あたしは北斗の少し黒いストレートの髪の毛が、光で茶色に見えるのが好きだから、くしゃくしゃにしながら言った。


「で、どっから入ってきたの?」


呆れがちに言う。


「えへへ~、お姉ちゃんいい匂いだね」


北斗はあたしの言葉を聞き流して、おなかに顔を埋める。


「ちょっ…ほ、北斗!?」


あたしは焦って北斗を退かそうとする。


「英里ちゃ~ん★パジャマ姿も可愛いね」


ちょっと誘惑するような甘い声であたしの頭を撫でるのは、幼馴染のお兄さんの優斗【ゆうと】さん。

その名の通り、優しいので有名。

背が高くて少しくせのある髪が、窓から入る風になびいて輝かしい。

頭も良くて最高のお兄ちゃんの理想像。


「優斗さんまでっ!?どこから…」


あたしは朝からパニック状態。


「俺たち幼馴染だろ?」
< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop