君と、ずっと。
北斗がいつの間にかベッドから落としたシーツを踏んで、あたしは雅斗の上に覆い被さるような体勢。


「英里って…そっち?」


あたしの両手が少しでも滑ったらアウト。

雅斗の顔と…

あぅっ

そんなことを一人考えていると、雅斗がニヤリと素晴らしく悪賢い笑み。


「ちっ、違…上とかっ、そーゆー…」


かぁっ

赤く染まる顔。

顔を背けたくても、この状態じゃそれも不可能。

すっ

両腕を掴まれて、あたしは普通に立つことが出来た。

優斗…さんかな?


「優斗さん…ありがとうございます」


引き上げてくれたのはやっぱり…

ってゆうより明らかに、(北斗はあたしを持ち上げられないから)優斗さんしかいない。


「つか英里、そんなこと考えてた訳?ったく、俺の姫様は成長したなぁ」


ぽんぽん

上から目線に頭を撫でられる、二つの行動から雅斗が示すものは…完璧年下扱い!?


「「確かにっ」」


雅斗の言葉に優斗さんと北斗は同時に頷く。

カッチーン

ガシッ

あたしは三人の服の袖を掴み、強引に部屋の外へと追放した。

パタン


「もうっ、油断も隙もないんだから!!」


あたしは制服に着替え始めた。

女子は少しピンクのYシャツにベージュのニットベスト。

もう春中盤だけど、ほんの少し暑いくらい。

赤系チェックのスカートに薄い紺のハイソックス。

スカートと同じ柄のリボンを緩めに付けた。


「よしっ、完了!!」

< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop