君と、ずっと。
カチャッ

ゆっくりドアノブを回すと、三人のわざとらしそうな笑み。

これは何か…ありそう。


「ゴホッ…英里、誤解すんなよ?」


無駄に咳払いをし、雅斗は『?』マークが頭上に浮かぶあたしの肩を掴んで言った。


「お姉ちゃんね、前より太くなった…って、雅斗お兄ちゃんが言ってたよ?」


“前より太くなった”…?

前、より…太、く…!?


「雅斗?あんた、どうゆうこと?」


がしっ

あたしの肩に乗っている雅斗の右腕を掴んで、冷静に聞いた。

もしかして…見た、なんてこと…


「英里ちゃん…ごめんね」


「優斗さん、まさか?…なんて、嘘ですよね?」


優斗さんの方を見ると、申し訳なさそうに俯いている。

そんな優斗さんに問い詰めるようにあたしは聞いた。


「着替えてるとこ…見ちゃっ…」


ドンドンドン…

優斗さんの言葉を最後まで聞かずに、あたしは大きな音を立てても気にせずに、全体重を乗せて階段を降りた。


「英里~、怒んなって~」


雅斗が機嫌を良くしようと、苦笑いで言う。


「ふんっ」


あたしは顔を背けて怒ってるのを全面に出した。


「あら、雅斗くん達。居たのね」


いつの間にかリビングに着いて、お母さんは朝食の準備を済ましていた。


「「お邪魔してまーす」」


三人のお得意スマイルの炸裂。


「おっ、お母さん!?驚かないの!?」


「あら、何言ってんの。小さい頃一緒にお風呂入った仲じゃない」
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